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1 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 2019-01-12 19:41:10 ID:wT5CNqOK0.net
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143 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 2019-01-12 21:44:38 ID:ext1+Zjrd.net
高校生でアクトレスの私は、おばあちゃんとの2人暮らし。
私は貧乏で身なりが汚かったので中学の頃はよく苛められた。
ある時事務所で家庭訪問をやるとの事で隊長がうちにも来ることになった。
私はおばあちゃんに
「恥ずかしいから隊長に来てもらうの嫌だ」
って言ったら、酷く叱られた。
「貧乏なんてちっともはずかしくないんだよ。そんな事を言うなんて、もううちの子じゃない」
って
「だっておばあちゃん、うちは隊長に出すお菓子も買えないよ」
「大丈夫よ、そんな事子供が気にしなくても。おばあちゃんは、こう見えてもおはぎ作らせるとうまいんだ。おばあちゃんのおばあちゃんから習ったんだから」
「ほんと?」
「本当さ。隊長には美味しい手作りのおはぎを出すから安心しな」
家庭訪問の前夜からおばあちゃんは小豆を水に浸し、次の日は朝早くから煮込んでいた。
私とリンはわくわくしながら、見ていた。
出来上がったおはぎをみんなで味見したら、それはもうとてもおいしかった。
あの時の味は今でも忘れない。
隊長も喜んでくれる。そう信じていた。
ところが、隊長は出されたおはぎに手をつけなかった。おばあちゃんが言った
「隊長さん手作りですけどどうぞお召し上がりになって下さい」
「いえ、せっかくですが今、お腹がいっぱいなので貰って帰って食べます」
隊長はそう言って紙に包んでカバンの中にしまった。
それから1時間後、私は河川敷の砂地で遊んでいて、リンに組み伏せられている隊長を発見した。
リンは抵抗する隊長のカバンからおはぎを奪い、満面の笑みでそれを頬張っていた。
それが私のおばあちゃんの作ったおはぎだという事は、包んである紙を見てわかった。
どうして大の男である隊長が子供扱いされ泣き顔で河原に転がされているのか、いろいろ考えた。
考えながら涙が流れてとまらなかった。
弱い隊長が悪いんじゃない。
美味しすぎるおはぎが悪いんだ。
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