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1 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 2020-05-06 21:23:56 ID:2Mzc0Y2Vm
ここはCOVID19総合スレです。
新型コロナウイルス国内感染の状況
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【肺炎】2019年新型コロナウイルス総合スレPart98
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845 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 2020-05-07 22:42:07 ID:2Mzc0Y2Vm
スペイン風邪についての先駆的名著から
興味あったら買うか、(高いので)図書館で借りてください
ウェルチが切り出した肺の小片は、ふつうなら子供が遊ぶゴム風船のように水に浮くはずのものが、水中に沈んでしまっていた。
所見として特に際立っていたのは、水っぽい血液混じりの液体が大量に肺に詰まっていたことだった。
液体は肺にメスを入れるたびに切り口からしみ出し、また、空気と交じり合って血の混じった泡となり、喉につながる太い気管を満たしていた。
そして死後硬直が始まると、液体はしばしば鼻から滴り落ち、死体を包む布地を血の色に染めるのだった。
ウェルチは少々のことでうろたえたりするような男ではなかった。
数々の成功を納め、だれからも尊敬され、古きよきヴィクトリア朝時代の医師の様と形容される評判の高い人物だった。
同時代の作家の言葉を借りれば、周りがみなパニックに陥ったような時でも独り自分を見失わない人物だったという。
そのうえ彼は病理学者であり、仕事柄、日々恐怖と向い合うのには慣れていた。
このキャンプ・デーヴンスの惨状の中で、しっかり動じない柱として頼れる人物がいたとすれば、
それはジョンス・ホプキンス大学の賢人と謳われたこの人しかいなかった。
しかしさすがのウェルチも、1918年秋、このような血の色の液体をたっぷり含んで重くなった
インフルエンザ肺炎の肺を初めて目の前にしたとき、震えを覚えずにはいられなかった。
彼は呟いた。「これはきっと何か新しい感染症に違いない。それとも・・・・・・」
つぎに口をついて出たのは、当時の医学辞典の中でいまだ迷信的なほど
恐怖のオーラを放っていた数少ない病名のひとつであった。
「・・・・・・肺ペスト?」
20年後、コール医師は当時を振り返り、自分も含めて若い医師たちも取り乱してしまったことは、驚くようなことではなかったと述べている。
「私がショックを受けたのは、あのウェルチ先生でさえなす術がなかったということでした。少なくとも、ちょっとのあいだは」
みすず書房 「史上最悪のインフルエンザ」 忘れられたパンデミック 2009年 (新装版)
アルフレッド・W・クロスビー 著 西村秀一 訳・解説
P29-30より引用
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